谷口貴洋

目の前の風景や、誰かの笑顔が優しく見える時って、

僕はただ甘ーい気分に浸って「優しい世界やー」って感じじゃない。

どこか暗い部分にもうっすら気付いている。

 

いなくなってほしくない人が、いつかいなくなるのは、人が脆いからで。

意見の対立が世の中毎日起きるのは、みんな不完全だからで。

悪い報道ばっかり聞くのは、世間は本能的にそれを求めるからで。

キツい話は、毎日数限りなくあって。

 

そんな世界であっても、暮らしの中の小さな喜びを愛でたり、

自分や大切な人たちに「幸せでいてほしい」って願える人がいる。

何にも保証はないし、完璧な安心なんかないけれど、

ただただ、「みんなと笑顔でいたい」って願える人がいる。

 

よく思う。

それってなんて健気で、ほんとなんてかわいいことなんだろうって。

 

そう願える人の笑顔が、できればずっと守られてほしいとも思う。

そういう時、世界が優しく見える。

色々あるのは知ってる上で、優しく見える。

 

谷口くんの「Beauty」はきっと、そういう感覚をシェアできた曲なのかなあって思う。